はじめに
我が家は一般のご家庭逸般の誤家庭のため、BMCやIPMIが搭載されたサーバを導入していません。
しかし、リモートから電源操作やBIOS/UEFI設定を行いたいことがあります。
(大昔に、ATENのCN6000を使っていたことがありますが、めちゃくちゃ高かったなぁ)
Raspberry Piを使ったPiKVMがあることは知っていたのですが、Raspberry Piやその他の
ハードウェアを用意するとソコソコのコストがかかるので見送っていました。
NanoKVMを知る
そんな中、AliExpressを見ていたところNanoKVMという製品を知りました。
AliExpressで購入
品名 | 価格 | 送料 | 合計 |
---|---|---|---|
NanoKVM Full | ¥8947 | ¥848 | ¥9,795 |
なんと、リモートKVMが10,000円以下で手に入ります。
Fullは、NanoKVM本体とPCの電源スイッチ、リセットスイッチ、電源LEDなどを制御する基盤が付属しています。
届いたので見てみる
- 箱は普通の段ボールにNanoKVMのロゴが印刷されています。
- 奥に見えるのがNanoKVM本体です。
- 手前に見えるのが、PCの電源スイッチ、リセットスイッチ、電源LEDなどを操作する基盤です。
- 表面には各ポートの説明が書かれています。
- 500円と並べて見ましたが、かなり小さいです。
- 上面はPOWERボタンとRESETボタンがあります。
- 上部はディスプレイになっています。
- USB(電源供給)、HDMI、サーバ操作用のHID(キーボード、マウス)用USBポートがあります。
- EthernetのポートとPCの電源スイッチ、リセットスイッチ、電源LEDなどを操作する基盤と接続するポートがあります。
- 細長いところは、PINヘッダになっており、UARTが2つ接続できます。
- これを使って、シリアルコンソールを接続することができるので、ルーターやスイッチにつなぐと良いかも。
- USB-A to USB-Cケーブルが付属しています。(写真にありませんが2本あります)
- リセット用?のピンが付属しています。
- 電源、LEDなどを操作する基盤と接続するケーブルが付属しています。
- 底面はヒートシンクになっています。
電源を入れてみる
実際にLANケーブルと電源ケーブルをつないでみました。 DHCPでIPアドレスが取得され、LCDに表示されます。
ブラウザでアクセス
ブラウザでIPアドレスにアクセスすると、以下のような画面が表示されます。
初期ユーザとパスワードは以下の通りです。
ユーザ | パスワード |
---|---|
admin | admin |
ログイン語にメニューから選択して、パスワードを変更しておきましょう。
アップデート
最新のファームウェアがあるか確認します。
最新のファームウェアがある場合は、アップデートします。
ノートPCにつないで操作してみる
NanoKVMにノートPCをつないで操作してみます。
若干タイムラグはありますが、普通に操作できます。
SSHでログインしてみる
実はNanoKVMは普通にSSHができてしまいます。
$ ssh root@<IPアドレス>
パスワードは root
なのでこちらも変更しておきましょう。
# passwd
この製品の面白いところに、なんとCPUがRISC-Vなのです。
# cat /proc/cpuinfo
processor : 0
hart : 0
isa : rv64imafdvcsu
mmu : sv39
StaticIPに変更
DHCPだとIPアドレスが変わるので、StaticIPに変更します。
- NanoKVM StaticIP
# echo "192.168.10.36/24 192.168.10.1" > /boot/eth.nodhcp # /etc/init.d/S30eth restart
2024年10月21日追記
- FirmwareのアップグレードにはDNSの解決が必要なため、DHCPではなくStaticIPに変更した場合は、DNSの設定が必要です。
# cat << _EOF_ > /etc/resolv.conf nameserver 8.8.8.8 nameserver 8.8.4.4 _EOF_
バラしてみた
- ネジを外すとヒートシンクが取り外せます。
- ヒートシンクを取り外すと、CPUが見えます。
- microSDカードも見えます。KIOXIA製の32GBが搭載されています。
- 上部もネジをとりはずすと、アクリルのカバーが取り外せます。
- LCDが見えます。
- うまく取り外すと側のケースが取り外せます。
- 大きく3つの基板に分かれています。
- 上部がLCDとボタン基板
- 中央部がHDMIの基盤(カメラとして接続されているもよ
- 下部が電源、LED基板
LicheeRVのボートにRISC-Vのプロセッサが搭載されています。
まとめ
- NanoKVMは、リモートからサーバを操作するのに便利な製品です。
- まだ、ちょっと不安定さが残っている印象
- 接続PCの解像度が変わると、画面が固まることがあります。
- キーボードマウスもたまに認識されない?
- ノートPCで試したのでまだ、電源スイッチやリセットスイッチの動作は確認していません。
- CD-ROM仮想ドライブなども使えるようなので、遠隔OSインストールにチャレンジしてみたいです。
- とりあえず、NanoKVMを再起動すると治るのでFirmwareのアップデートに期待。
- CPUがRISC-Vなので、初のRISC-V製品となりました。
- 日本語キーボードの設定ができないので、手元が日本語配列の場合は少し不便。
2024年10月10日追記
- https://github.com/sipeed/NanoKVM
- NanoKVMのバックエンドとフロントエンドがOSSとして公開された模様
- せっかくなんで日本語化のPRを送ってみてマージされた。
- そのうち新しいバージョンがリリースされると日本語化されるかも。
- https://github.com/sipeed/NanoKVM/pull/95